どよよ〜んとしてしまうのは、なぜなのでしょうか。「ほかに選択肢がない」という行き詰まり感とも関係あるのではないかと思うのです。けれど、本当に「ほかに選択肢がない」のでしょうか?
まずは散らかってる部屋を片付けるようにして、本当に必要なことと無駄なこととを、切り分けて考えてみませんか? いらないことをやめてみたり、もっと身近なかわりのものに置き換えてみたり、できないでしょうか? 私たちひとりひとりは、そんなに多くのことや贅沢を望んでいるわけではない。家族が幸せでいて、生活がまわっていければいいと思っています。なにか利権があったり、すごく儲かることがあるわけではない。なのに、お金のために、利権のために、なにかを犠牲にするシステムにのせられている。そんなことに加担したいと思ってないのに。
望んでないこと、いらないことはなんなのか。本当に望んでいるのはどんなことなのか。まずはそこから、考えてみませんか? 目先のことにとらわれず、時間のスパンを長〜くすると、よく見えてくることもあります。こどもたちのその次の世代にまで渡せる世の中に、したいですよね。
すぐに結果が出なくても、あせらずに。何世代かかけてこうなってきたのだから、そうすぐにパッとは変わらないかもしれない。けれど、私たちがあきらめてしまっては、何も変わらないことだけは事実。こうあってほしい、と願うことは、祈ることは、私たちひとりひとりに与えられた最大の自由。それがすぐにできなくても。こどもたちにも、その願いや祈りを継いでいきたい。そして、その願いや祈りを現実のものにしていくために、自分にできるはたらきができたら、小さなことでもいやってみよう。そんな風に考えたいと思うのです。
みんなが思えば、変わっていく。それはたしかなことです。この映画を家で、ひとりで見るのではなく、劇場で、この地域のたくさんのひとたちと見ることの意味は、そこにあると思っているのです。ひとりひとりの心の共感のさざ波が、よりよい未来をつくっていくことにつながりますように。(よは)